けんしん にっき
 
 
 
 
 
 
ともえ
 
おれは きみを ころして しまった
 
きみは おれを にくんで いるかも しれない
 
 
それでも おれは きみとの であいを
 
しあわせな できごと だって おもうんだ
 
とても つよく おもうんだ
 
 
きみが していたように おれも
 
おもいついた ことを かいて ゆくよ
 
けんの れんしゅう ばかり してた から
 
ひらがな ばかり で よみにくい だろう けど
 
しぬときには もっていく から
 
そのとき いっしょに みよう
 
 
 
ごがつ はつか
 
じじつじょう ばくふが たおれた
 
これで ひとを きらなくても すむ
 
あたらしい せいふが たんじょう した とはいえ
 
よのなかは せんそうの せいで こんらん している
 
だから るろうに に なろうと おもう
 
うしろ ゆびを さされて
 
いのちを ねらわれる かもしれない
 
それでも おれは
 
あらい しゃっくう さんから いただいた さかばとうで
 
こんどは たくさんの ひとを まもりたい
 
 
 
ろくがつ ついたち
 
ひときり ばっとうさいの なは おもった いじょうに
 
ひろまって いた
 
まちでは じゅうじ きずを かくさないと
 
おそれられて せいかつも できない らしい
 
 
 
ろくがつ ふつか
 
おばあさんの にもつ もちを する
 
ひとだすけ せいこう!
 
 
 
ろくがつ よっか
 
やとうから ちいさな こどもたちを たすけた
 
きっと やとうや ひとかい たちも けんめいに いきようと している
 
けんで たたき ふせる ことが ただしいのか どうか わからない
 
けれど おれは ゆるせない
 
 
 
ろくがつ いつか
 
こどもたちと あそんだり しながら
 
ひきとって くれる いえを さがした
 
ほっぺたを つねり ながら 「けんしん」と
 
こどもが よんで くれて すこし うれしい
 
ただ みんなで どうじに
 
ほっぺたを つねられ ると けっこう いたい
 
あと ごはんに みそしるを かけて たべて たら
 
ほっぺたに ごはん つぶを つけた こに
 
ぎょうぎが わるいと おこられた
 
 
 
ろくがつ むいか
 
こどもの あさは はやい
 
あさ ごじから たたき おこされた
 
こっそり ねようと したら さかばとうで たたかれて
 
にらめっこを することに なった
 
おれが どんなに ねむいのかを にらめっこの
 
かおで ひょうげん したけれど わらわれた だけで
 
つたわら なかった
 
つたわる わけが ない
 
 
ろくがつ なのか
 
なにか おはなしを してと
 
せがまれて むかし ばなしを して あげた
 
とちゅうで みんな ねて しまって
 
ちょっと さびしく なった
 
 
 
ろくがつ ようか
 
おれは けっきょく だれも すくえない のかも しれない
 
よるに なきだした おとこのこが おしえて くれた
 
おやを きったのは ひときり ばっとうさい だと
 
 
 
ろくがつ ここのか
 
くるし かった けれど うちあけた
 
ひときり ばっとうさいで あることを
 
「だいじょうぶ おれ おやの かおとか おぼえて ないからさ
 
けんしん いいやつ だし」
 
そういって わらって くれた ときに
 
こえを あげて ないて しまった
 
みんなが うたって くれた こもりうた
 
きみが うたって くれた うた
 
ありがとう
 
 
 
ろくがつ とおか
 
みんなと いっしょに やまを こえた
 
じつは もっと らくな うらみちが あった ことを
 
むらの ひとに きいて
 
こどもたちが ぶー たれていた
 
じゅう さんかいも あやまったけど ゆるして くれなかった
 
 
 
ろくがつ じゅういちにち
 
みぎほお にも じゅうじ きずが!?
 
と おもったら ふでで らくがき されて いた
 
これからは ねるまえに すみと ふでを かくそう
 
びっくり した
 
 
 
ろくがつ じゅうににち
 
すこし はやいけれど みんなで はなびを した
 
はなびは すぐに おわる
 
けれど とても きれいだ
 
 
 
ろくがつ じゅうさんにち
 
みんなを ひきとって くれる ひとを みつける
 
ことが できた
 
ろぎんが つきる まえに みつける ことが できて よかった
 
いえの かたに ひときりを やめる まぎわに
 
もらった おかねを わたして さる ことに する
 
「けんしん けんしん」
 
「げんき でね」
 
かわす ことばに いみは なかった けれど
 
こどもたちが なきながら わらって てを ふって くれた ときに
 
うれしくて かなしくて なきそうに なった
 
わかれは さびしい けれど けっして わすれない
 
 
 
ろくがつ じゅうよっか
 
そらは みたことも ない くらい  あおく たかい
 
あのこ たちは しあわせに やっている だろうか
 
ときの ながれが とまることの ないように
 
そらの はてが ないように
 
おれの おかした つみは えいえんに きえる ことはない
 
でも しきり なおす
 
だれも しなせない
 
かなしむ ひとを つくらせない ように
 
そして…そして
 
そんな しかくが ないのは わかって いるけれど
 
いつか なかまたちと やすらぎ
 
あいしている ひとと いっしょに いられる ように
 

 

 

 

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今まで頂いたことの無いような作品を

頂いてしまいました♪

剣心の色々入り交ざった気持ちが

伝わってきます…。

 

『ろくがつようか』のところで

こう、何かハッとしました。

短い文章の中で

「剣心の感情」がすごく伝わってくるのです…(泣)

 

素敵な小説有難うございました。

さまの小説はもうヒトツあります。

ギャグですけど(大笑い)素朴でウケます。