チャン・イーさんより |
記念日
情交の後は、いつも全身に血が通うような感覚がする。
左之助の、少し汗ばんだ胸に頬をくっつけながら、私はそんな事をぼんやり 思った。 左之助は、私の髪を何度も何度も梳くように撫でる。 「あんた、私の髪好きなの?」 「ん?・・・ああ、そだな」 撫でられた跡が、甘い甘い余韻となって私の心へ入ってくる。 「なんていうか、触ってると落ち着くし」 「そう?」 「ほら、猫とか犬っころも撫でてると妙に落ちついたりしねえ?」 「・・・・・」 私は、顔を上げて彼の顔を見た。 左之助は、困ったような顔をして、笑っている。 「俺、今まずいこと言ったよなあ?」 「ええ」 私は、彼に背を向けてきゅっと目を瞑った。 背中に静かなぬくもりを感じる。 「お前は、犬猫とおんなじじゃねえよ?」 「・・・・・」 「なあ」 心底困った声を上げるので、私は笑い出してしまった。 「てめっ、怒った振りしやがって」 「そうよ、悪い?」 笑いながら振り向いて、彼に口付けた。 「知ってる?v 「あん?」 「今日が何の日か」 「・・・・・」 いきなり、私を抱きしめた。 「お前、忘れてんのかと思ってた」 「あんたと違うのよ、馬鹿にしないで」 そして、私たちは笑いあった。 四年前、私たちは恋に落ちた。 そして、それまでお互いに抱えてきた言いようの無い寂しさや孤独が、不思 議な暖かさで包まれていったのだ。 「で、そろそろ苗字変えてみる気ねえ?」 「え?」 「だから、俺の嫁さんになってみねえ?」 私はびっくりして、声に出して返事ができなかった。 ただただ、必死で何度も頷いて。 「・・・・・びっくりした・・・」 それだけ言うのが精一杯だった。 「うん、俺もびっくりした」 それから、私たちは口付けをした。 長い長い、永遠に思えるようなやさしい口付けを交わしたのだった。 終 END |
きゃー!チャンさんに頂きましたv 何気なく四年というキーワードが入っていて、胸キュン度120%です(><) 左之助のサラリとしたプロポーズ! これこそが美咲の思い描く男ッ左之助ですッ(興奮) ★チャンさんからメッセージも頂きました★ 4周年、本当におめでとうございます。 4年という時間に、美咲さんの愛情の深さと美しい根性を感じます。 これからもぜひ、頑張ってください!! 心から応援しております♪ 稚拙な文ですが、4周年に捧げます・・・。 チャン・イー 素敵な作品有難うございました!
【2004年四周年お祝い品として】2004113 |