*…玲音さんより〜初夏〜…*

〜初夏〜
 
若葉が芽吹き、陽射しが眩しさを増す。
 
季節は――――初夏。
 
 
昼下がりの葵屋の縁側。
中ではお増やお近たちが祝言の準備にと駆け回っている。
 
そんな中、蒼紫は一人、物思いにふけっていた。
 
とととととっ。
聞こえてきた足音にふと目を開ける。
 
「蒼紫様!ここに居たんですね。」
「操か…。仕度はいいのか……?」
「大丈夫です。あとは着替えるだけだから。」
 
操はにこっと笑って、蒼紫の隣に腰を降ろした。
いつもの甚平とは違い、今日は着物を纏っている。
 
『特別』な日だからだ。
 
「とうとう今夜、なんですよね。ちょっと緊張してきちゃった…。」
 
二人の祝言まで、あと数刻。
陽が沈む頃には、東京から仲間達もやってくるだろう。
 
「不安なのか……?」
蒼紫の問いに小さく首を振る。
「不安、じゃないと思います。ただ、薫さんみたいに、綺麗な花嫁になれるかなって…。」
 
確かに、いつも元気に駆け回っている操には、「綺麗」というよりも、
「可愛い」という形容詞が似合っている。
 
だが、着物を纏い、髪を下ろした今は、いつもと違う、
凛とした雰囲気が漂っていた。
 
「……今日の白無垢は翁の特別あつらえだろう…。きっと似合う。」
 
二人が祝言をあげると決まってから、翁が京都中の仕立て屋を回って、
操の花嫁衣裳を探していたのは、衆知の事実だった。
 
「それに、お前の黒髪は、白無垢に良く映えるだろうしな……。」
 
そう言って蒼紫は操の頭を撫でてやった。
緊張を解きほぐすように。
 
「えへへ…v蒼紫様にそう言ってもらえて、なんかほっとしました。」
 
ちょっと照れたように微笑んで。
 
操はそっと、蒼紫に寄りかかり、目を閉じた。
 
「しばらく、こうしてていいですか…?」
「ああ…。」
 
優しく操の肩を抱くと、蒼紫もまた、そっと目を閉じた――――。
 
 
穏やかな昼下がり。
一陣の風が吹き抜けていく。
柔らかな陽射しに映え、若葉は障子に淡い影を映す―――。
 
 

END

桜坂玲音さんから蒼紫×操小説でした〜^^いいですね〜ぇ!!蒼紫さまと操ちゃんの祝言はきっとこんなふうに、静かに

幸せに自然にやってくるんでしょうね〜★優しく操の肩を抱くと、蒼紫もまた、そっと目を閉じた――――。

あぁ!もう目に浮かぶようです〜v玲音さんは今度はやひつばに挑戦してくださるということで!!まだまだ玲音さん

ワールド(笑)が楽しめますよv感想はBbs、または管理人宛メールにて★                 2002.4.7

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