<かおり様より>蒼紫×操小説

 

「初夏の午後」

 

  明治○○年の京都。ここ葵屋には今日も平和な空気。

  「操ちゃーん。ちょっとお使いいってきてくれない?」

   

面倒くさそうに振り返る操の目線の先にいるのは、お増さん。

ここ葵屋で働いている人だ。その姿を白じょうが料理しながら、やれやれといった感じで見ている。

 

  「えー。暑いし……」

   

(まあ、暑いけど…。みんな同じな訳だし。こうぐうたらしていてもねぇ…。)

お増はちょっとあきれながらも操に言ってみる。

 

  「うーん。でもねえ、ずっとぐうたらしていても、もっと暑くなるよ?」

  「えー。」

 

(もうしょうがないな……。あっ。)

 

彼女の視界の先にいたのは蒼紫だった。

 

「じゃあ、蒼紫さんに一緒に行ってもらいなさいよ。」

「えっ!?」

   

めったにないことをお増がいうから操は完全に焦っている。

 

 「いいじゃない。せっかく天気もいいんだし(よすぎなぐらいだけど)。蒼紫さんもどうですか?」

   

部屋の傍らで本を読んでいた彼は、顔をあげる。そしてたいして表情も変えずに

立ち上がる。

   

 

(やっぱりだめかー……)

 

ふたりは思ったが…。

 

「何を買ってくればいいんだ?」

   (………!!!)

 

「あっ。お酒と……」

買ってきてほしいものを言いながら、お金を渡す。

 

「操。早くいくぞ。」言いながら、すでに彼は歩き始めている。

 あっけにとられていた操も、蒼紫の言葉に我に帰ると

満開の笑顔で蒼紫についていく。

お増は店の外にでて二人を見送る。笑顔全開の操と、

そんな操に歩調を合わせる 蒼紫。

 

そしてなんとなくにやにやしながら店に戻る。

 

「お増ちゃん。どうしたの?そんなににやにやして。」

 

白じょうが話しかける。

 

「えー。だって。蒼紫さん、最近変わったと思わない?操ちゃんのことも、なんだかんだ言って、大切にしてるなーと思って。」

 

「ああ。そのことか。」

   

初夏の午後。流れる平和な空気。今はそれで充分な気がする。

  「ねえ、白さん。」

  「んー?」

白じょうは料理をしながら答える。

  「幸せだね。」

 安心できる人が目の前にいて、幸せそうな二人がいて。

  「なんじゃそりゃ」

   

と言いながら、お茶をだしてくれる。

 

     ああ、幸せな初夏の午後。 

 

 

                                           END

かおりさんより頂きましたv操ちゃんと蒼紫、そしてお増さんと白さんのお話でしたv蒼紫様、操ちゃんに歩調を合わせてあげるなんて…もう、優しすぎ!(感激)何気にお増さんと白さんもラブラブですね(笑)これから操ちゃんと蒼紫様は楽しい時間を過ごすんでしょうね^^素敵なお話有難うございました♪

 

かおりさんは小説投稿フォームからお題に挑戦してくださいました!

お題ではなくても、男女カップリングのお話ならOK!ぜひぜひ投稿してくださいね^^            2004.8.8 up

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