夜桜 |
夜桜
「夜桜…でござるか?」 「そう!」 ある春の朝剣心と薫は、話しをしていた。 「春といえば桜でしょ、桜といえば夜桜!」 「そういうものでござるかなぁ…」 「そうよ!というわけで今夜夜桜を見に行きましょう!」 「…承知したでござる…」 結局夜桜を見に行くこととなった剣心、しかしあまり乗り気ではない様子… たしかに薫と二人っきりというのは嬉しいのだが、桜はすでに見飽きている おまけに、ここのところ家事が多くて疲れていた。 「桜なら昼でも見れるではござらんか〜」 薫が聞いたら機嫌が悪くなると思い、小さな声で呟いた。 しかし、その夜は、運悪く雨が降った。 剣心は、安心したのもつかの間、薫の機嫌を直すのに悪戦苦闘していた。 「薫殿、機嫌を直すでござるよ」 「だって…だって…」 「明日には、きっと見に行けるでござるよ」 「今日じゃなきゃだめなの!!」 「おろ?なぜでござる」 「それは…」 薫は少し顔を赤くしていた。そしてゆっくりと口を開いた。 「今日は…今日は私の誕生日なの!!」 「え!…」 突然の発言に驚いている剣心を見ながら薫は続けた。 「だから…剣心と二人で夜桜見たかったの…」 剣心は、ア然としていたが、しばらくすると優しい目で薫を見つめながら言った。 「薫殿、桜はまた明日見るでござるよ」 「でもぉ…」 剣心は、薫のこういうところは幼いと思っていると同時に愛おしいとおもっていた。 剣心は、薫にそっと口付けをした。そして耳元で囁いた… 「誕生日おめでとう」 薫の顔はすでに朱に染まっていた。 「機嫌直った?」 剣心は意地悪そうに聞いた。 「剣心の馬鹿…」 「おろ?」 剣心の口癖に薫は笑っていた、いつもより嬉しそうな顔で… 明日は夜桜を見よう 君が望むとおりに 眼を閉じればいつでもうかぶ 満開の夜桜の下で笑う君が…
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刀さんから頂きました! 夜桜をテーマにした。 一足早い春の作品でした♪ 薫殿の誕生日は6月ですけど(←剣心華伝による) 昔の人の誕生日ほどでたらめなものはありませんからねぇ(笑) うちのじいちゃんも誕生日ごまかしてますし。 6月にも桜は咲くと言うことで!(←異常気象?/笑) 照れる薫殿がめっさかわいいですわ。 そして、夜桜の下の二人、とっても絵になりますねvv ステキな小説有難うございました★ 2005年3月4日 |