馬鹿/花鳥風華さん

馬鹿

 

左之助は長屋の布団に横になっていた。
  昨日から頭も痛いし、寒気がする。
  なんだか熱もあるような気がして。
  左之助は布団の中で目を閉じた。
  
   
   かたんと小さく音を聞いたような気がして目が覚めた。
  ふすまを開けて入ってきていたのは…
  
  「恵!?どうしてここに?」
  
  恵は軽く笑った。
  
  「アンタがこのごろ道場にも来てないって聞いたから心配して見に来てあげ
  たのよ。」
  
  恵は持ってきていた薬箱を開くと風邪薬を取り出した。
  風邪薬を左之助の横に置き、水も置く。
  恵は左之助をのぞきこんだ。
  
  「きちんと薬飲むのよ?」
  「俺はガキじゃねえんだから飲むさ」
  
  恵は立ち上がり、薬箱を片付けた。
  そして左之助の方をちらりと横目で見た。
  恵は小さく呟いた。
  
  「早く治ってよ。じゃないと、私の調子が狂うじゃないの。」
  
  そういって背を向けていってしまった。
  
   
   左之助は熱のある頭で少し考えた。
  恵は調子が狂うといっていた。
  しかも俺のせいで。
  つまり元気の俺のほうがいいということだ。
  左之助は小さく笑った。
  恵のために早く元気になってやるか。
 

左之助風邪寝込みネタでした!

美咲もこのネタは書いたことあるんですが

絶対風邪をひかなそうな左之助に、

ぶっきらぼうに、不器用に心配する恵さんっていいですよね〜!

今度、逆パターンも書いてみようかと。(笑)

 

風華さん、有難うございました!

20050508

 

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