<花鳥風華さんより>

言いたい事

 冬がきた。
  近頃は診療所に左之助が居候している。
  
  「さみぃ・・・・」
  
  左之助のつぶやきに恵は眼の端でにらんだ。
  
  「だったらこなきゃいいでしょ?」
  「長屋はもっとさみぃ・・・」
  
  左之助の大きな体ができる限り縮んでいるのを見て、恵は笑った。
  
  「何だよ・・・」
  「別に。ただ寒そうだなあって思っただけよ。」
  「あったかい食うものねえか?」
  
  左之助はチラリと恵のほうを見た。
  恵はため息をついた。
  
  「あげても良いけどね。」
  「・・・ん?」
  「ひとつだけ言わせて」
  
  左之助は驚いたように恵を見た。
  
  「一張羅以外にも着なさい」
  「ああ。お前が縫ってよ。」
  
  
  恵の部屋の灯が2.3日くらいついて消えなかったことはしっとりと降った雪だけ
  が知っている。

 

 

 

 

                                           END

ケナゲな恵さんが可愛いvほのぼの小説でした!

風華さん有難うございました。

確かに、あの長屋は絶対寒いですよね(><)

しかもあの一張羅だけなんていったら

風邪引きに行っているようなもの(笑)

 

左之助のために恵さんが縫ってあげた着物^^

なんて素敵なんでしょうv

風華さんの小説、どれも素敵ですが

美咲はこの言いたい事が一番好きデスv

 

もう季節は冬本番。

心温まる小説有難うございました。

 

20041222

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