*あややさんより…*

クリスマスプレゼント

 

ずっと
  
  言おうと思っていた
  
  でも言えなくて
  
  ここまで延ばしてしまった
  
  だから
  
  クリスマスの日
  
  彼に
  
  伝えようと思ったの
  
  好き
        *****
  「あら、雪ね」
  今は、昼下がり。
  私は、昼まで出張して、その帰りだった。
  (あいつなら、はしゃぎまくるでしょうね。)
  無意識に左之助のことを考えていて、思わず頬が赤くなった。
  (いけない、早く帰らないと。)
  自分の手で頬を冷やす前に、雪が冷やしてくれた。
  私は、薬箱を持ち直し、さっきより早足で歩き始めた。
  しばらく歩くと、診療所に着いた。
  診察室で待つが、誰もやってこない。
  それもそのはず、今日はクリスマス。家族と過ごす人が多いからだ。
  (誰か、来てくれないかしら。・・・今来てほしいのは――)
  キィ。
  ドアが開いて誰かが入ってくる。
  「はい、え〜と・・・」
  その顔を確認する。それは・・・
  「よぉ。」
  左之助だった。
  その顔を見たとたん、私の心臓は跳ね上がった。
  「あっ・・・」
  私は一瞬言葉を失ったが、心を落ち着かせていつものとおりによそおった。
  「――で?何の用?」
  「いや別に。ただヒマだから来たんでぇ」
  私は呆気にとられてしまった。
  「ヒマなら外ではしゃぎまわってくればいいじゃない」
  すると左之助は、ほんの少し顔を赤らめ、そっぽをむいてつぶやいた。
  「・・・それは・・・さっきやったから・・・」
  私はそれがおかしくて、笑ってしまった。
  たしかに外には誰かが走り回ったようなあとが残っている。
  「あ〜っ笑うんじゃねぇっ!!」
  「っふふ左之助らしいわ」
  私の笑いがおさまったとき、当初の目的を思い出した。
  (今日こそは・・・。)
  「そういや、今日はクリスマスだったな・・・」
  この左之助の一言で、いいやすくなった。
  「じゃあ、私からのプレゼント」
  そういって、耳元でささやく。
  好き、と。
  左之助は、ぽかんとしていたが、すぐに気づいて言う。
  「ありがとう。」
  
  今来てほしいのは
  
  今そばにいてほしいのは
  
  今抱きしめてもらいたいのは
  
  あなただからね
  
  左之助

 

 

                               END

あややさんから頂きました。

うーん、やっぱりさのめぐ人気は健在だなぁと思います(ガッツポーズ!)

 

クリスマスのお話なのに掲載が遅れて

申し訳ないです(><)

出張・クリスマスというと明治版じゃなくて現代版?でしょうか?

 

普段素直になれない恵さんですが

クリスマスぐらいは…ねv(笑)

 

あややさん、素敵な小説有難うございました。

 

 

2005.2.5 up

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