*…花鳥風華さんより…*

紅葉 
 
「もう秋ね・・・」
  
  恵が紅葉を見ながらポツリとつぶやいた。
  左之助がちらりと恵を見る。
  
  「紅葉と人って似てる。」
  「どこが?」
  
  左之助が不思議そうな顔で恵を見た。
  
  「命が散るところ。」
  
  左之助はふうとため息をついた。
  
  「まだ阿片の事引きずってやがんのか?」
  「私のせいでたくさんの命が散っていったのよ。忘れられるわけないじゃない。」
  
  左之助は恵を抱きしめた。
  
  「引きずるなとは言わねえ。それを良いふうに考えてくれねえか?」
  「どうやって?」
  
  左之助を見上げた恵の目には涙が浮かんでいた。
  
  「阿片のおかげで俺や剣心と会うことができた。それじゃだめなのか?」
  
  恵はにこりと笑った。
  
  「ありがとう、左之助。」
  
  
  秋のある日のことだった。

 

 

 

 

                               END

美咲の風邪のため、掲載が遅れて申し訳ありません(><)

風花庵ですっかりおなじみの小説ライター!(笑)花鳥風華さんから頂きました。

 

阿片と恵。

切り離そうとしてもどうしても切り離せないですよねぇ。

そんな複雑な阿片と恵の因縁の過去を

まっすぐな左之助だからこそ

理解して、励ましていけるのだと思います。

 

短い文章の中にぎゅっと内容のつまったお話でした!

有難うございました。

 

2004.10.29 掲載】

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